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■2018年5月9日(水) On-Site Reort 322号

●総合機械商社 第一実業(DJK)のバイナリー発電

アクセスエナジー好調


コンパクトなDJKの小型バイナリーに注目が集まる

 バイナリー発電装置の供給・施工を手掛ける第一実業(株)(DJK、東京都千代田区、宇野一郎社長)は、これまでの地熱利用の再エネ案件に加えて、バイオマス分野にも進出。
 同社がバイナリー発電装置の木質バイオマス向け第1号機として納入した串間(宮崎県)の2MW級バイオマス発電所が3月下旬、竣工した。
 DJKはプラント・エネルギー事業、産業機械事業、航空事業、ファーマ事業、エレクトロニクス事業など総合的にカバーする機械商社。電力・石油・化学など産業分野のエネルギー開発、プラント建設効率化、省エネ・環境対策などについて取り組み、コンサル業務にも対応してきた。これらの一環でBTG(ボイラ・タービン・発電設備)のプラントメーカーへの仲介を行っており近年は2MW未満にも進出したほか、プラント・エネルギー事業の一環として再生可能エネルギー普及にも努める。このひとつ・小型バイナリー発電システムでは、2014年に独占的製造権を取得して提携しているアクセス・エナジー(AE社、米・カリフォルニア州)の扱いが増えており、2018年3月現在で総数は約60基、合計発電出力は7,375kWに上る。(DJK資料から本誌集計)。
 AE社製バイナリー主力機「Thermapower125」の発電端出力は125kW。設備の消費電力を除き100kW前後を外部に送電できる。当初はアメリカのAE本社で組み上げたものを輸入施工していたが、2015年からは国内製造にシフト。DJKの委託を受けた(株)栗本鐵工所(大阪市西区、串田守可社長)が、主力住吉工場にAE社バイナリー発電装置の生産ラインを設置して対応、年間数十基の国内生産が可能だ。
 本年3月竣工した串間のプロジェクトは、サンシャインブルータワー、シンエナジー(旧・洸陽電機)、三洋貿易などが参画する案件として本誌でも再三報じた案件。FITの2MW未満枠対応。発生する熱を発電所に併設されている木質ペレット工場の材料乾燥に利用する一方、所内で使い切れない熱はバイナリー発電設備を導入して電力としてエネルギー回収する先進的案件だ。AE社のバイオマス利用案件としても、ガス化CHPを10基並べて運用する点でも、国内初の案件として注目を集めている。
 同じくガス化CHPを6基導入する内子町(愛媛県)の木質ペレット生産者・内藤鋼業を核にしたFITプロジェクトでも、DJKのバイナリーは採用されており、この内子町案件ではCHPから発する熱をより無駄なく利用するスキームを組み上げる。まもなく着工し、早ければ年度内にも竣工するスケジュールがみえている。
 より大量の廃熱利用案件でDJKは、イタリア生まれのターボデン社製バイナリーシステムを提案する。ダーボデンのシステムは発電出力700〜15,000kWのラインアップがあり、起ち上がっているバイオマス案件としては、ポリテクニク製ボイラ導入する遠野興産(株)(福島県いわき市)案件が今夏、コールバッハ製ボイラを導入するバンブーエナジー(株)(熊本県南関町)案件が年度内にも竣工・稼働する見通しだ。
 DJKのバイナリーシステムは、これまでは、温泉関係や工場排熱部門などの需要が多かったが、今後は地熱部門で相当数の受注も期待される。また宮崎・串間、愛媛・内子で先行している木質ガス化CHPとのコラボレーション事業でも、本誌が捕捉しているだけで鹿児島、和歌山、福島など複数箇所で検討が行われているほか、家畜などの敷料バイオマス利用発電、東京・横浜では水再生センターなどと呼称される都市部での生活排水等処理施設での導入も進んでおり、系統の受入れ方しだいでは市場は加速度的に拡大するだろう。

●第一実業(DJK)とアクセス・エナジー(AE)社
 DJKは2014年4月にAE社(本社:米国カリフォルニア州セリトス市)から小型バイナリー装置サーマパワーの日本国内における独占製造権を取得し、2015年度から栗本鐵工所に委託して国内製造をスタートした。システムの特長は、磁気軸受採用で摩擦損失がなく潤滑油が不要で定期メンテナンスフリー、24,500〜26,500RPMの高速回転で高効率発電、タービン・発電機が一体型の密閉構造で作動媒体が漏出しない、モジュールがコンパクト(287cm×127cm×203cm、重量:2,948kg)であることなど。