■2018年11月7日(水) On-Site Reort 346号――山本製作所ペレットストーブOU
●山本製作所(山形県天童市)
ペレットストーブ・プレミアムモデル「OU」初お目見え
10月26〜28日、ニコタマ/ライズ・蔦屋家電でのプレゼン盛況
ペレットストーブ「OU」
鋳物ならばこその重厚な丸みと肌合い、下部に配された圧密スギが印象的
2003年以降、累計2,800台以上のペレットストーブを売ってきた農業機械大手の(株)山本製作所(山形県天童市、山本丈実社長)は10月26日(金)〜28日(日)の3日間、東京・世田谷の複合商業施設・二子玉川ライズにある蔦屋家電でペレットストーブの創業100周年記念モデル・OU(型式PS-500FC)の新商品発表会を開催した。
●おしゃれスポットで200余の好感触
初日は主にディーラーやメディアなどを対象にしたプレゼンテーションで、2日目以降は週末ライズを訪れる一般客を対象にしたお披露目を行った。初日のプレゼン参加者はペレットストーブのディーラー中心にプレスなど数十名、その後開催期間中に訪れた一般客のうち、相対して質問などを受けカタログやノベルティを手渡した"好感触な"来場者だけでも200余名を数えており、新作発表イベントとして上々の出来で成功させた。
●圧倒的存在感のコンセプトムービー
26日のプレゼン冒頭で流されたコンセプトムービーと名付けられた約120秒のプロモーションビデオは斬新だった。デザイン集団FARVEを主宰する永易直樹氏による映像は、火・炎は太古にヒトが偶然と創意の積み重ねで森林から得ただろうことを暗示しながら、地域に関係なく生活が都市型に傾斜する現代、ヒトがもう一度火を取り戻す――復権する――には、火の芸術でもある山形鋳物と地場・天童の木工技術、山本製作所の先進技術が注ぎ込まれたペレットストーブ・OUのオーナーになるしかない……と主張してみせた。モノトーンを基調として炎を強調しながら矢継ぎ早に展開する動きのある短いカット映像を、パーカッショニスト・石若駿氏が叩くタムタムの粒立ったドラムソロが連動して際立たせ、それまで明かされなかったOUの商品全貌が映し出されるラストカットまで息もつかせず一気に見せた。
●外観だけでなく機能も充実
山本製作所の東京での新作お披露目は2006年10月以来12年ぶり。2006年にはフェラーリ、マセラティーのデザインを手がけたイタリア・ピニンファリーナ社デザイン・ディレクターの奥山清行氏が「心と自然を癒す新たなインテリア家具」との位置づけて取り組んだデザインを「ペチカ禅」に昇華させた。ターゲットはインテリア性や炎を楽しむ富裕層で、普及版モデルよりも10万円ほど高い価格設定で市場投入して、廉価版で薄利多売を仕掛けるメーカーもある国産ペレットストーブ市場に一石を投じた。
OUも基本路線は変わらない。約960年の歴史をもつ山形鋳物をこの400年受け継いできた菊地保寿堂や、スギを圧密して硬度を上げる木工技術の天童木工が協力して、地元山形で活躍する渡邉吉太氏による柔らかな曲線や肌触り・木の温もりなどの意匠方針実現を支えた。
外観だけでなく、機能も盛り込み、対震自動消火装置、燃焼制御装置、点火安全装置、過熱防止装置、タンクのフタ開閉検知装置、燃焼室扉開閉検知装置、温調機能、給気量自動調整機能、クリーニング機能など一部は既存機種に見られない新機能も付加している。
●初回ロット30基は年内にディーラーなどモニター利用をスタート
現在、ディーラー向けに初回ロット30基を生産しており早ければ11月中にも届けられる。約1年間のモニター使用を経て使用感や課題をすくい上げて最終モデルに反映させたうえで来年秋以降、市場投入される予定。商品についての問合せ先は、山本製作所ソリューション事業部・遠藤氏まで(電話:0237-43-8814)。